相続・遺言に関するコラム

遺言書の種類

遺言とは?


遺言は亡くなった方が残される相続人等に最後の意思や思いを伝えるものです。
民法に定められた形式で遺言書を作成することにより、財産を誰に受け継がせるかなどの財産処分の方法や、相続人の廃除、未成年後見人の指定などが行えます。

遺言の内容は、法定相続割合に優先するため、残された相続人間でのトラブルを予防するために重要な役割を果たします。(ただし、一定の法定相続人には「遺留分」という権利があり、この権利が実際に侵害され、かつ請求した場合には、その分の金銭を精算しなければいけないケースも考えられますので注意が必要です。(「遺留分」についてはまた別のコラムで)

また、とかく遺言をつくるという行為に対し「縁起でもない!」といったネガティブなイメージを持つ方も多くいらっしゃるかと思いますが、遺言をつくるためには意思能力が必要とされており、元気なうちでないと作れないのです。また、遺言は一度つくったら
もう直せないという誤解もあるかもしれません。当然、時間の経過とともに人の思いや感情は変化します。あのときはそう思って遺言をつくったけど、いまは違うとなった場合に、遺言を撤回し新しい遺言を作り直すこともできるのです。



今回は法律で定められたもので代表的な遺言2つをご紹介したいと思います。

遺言を作ったほうがよいケース

遺言の種類の具体的なお話に行く前に、「遺言なんでお金持ちが作るもので、大した財産がないから関係ないよ」とか「うちの家族はみんな仲がいいから揉めることはないよ」と思っていませんか。もちろん遺言を作るかはその本人の自由ですし、個々の事情にもよります。ただ、財産の多い少ないにかかわらず遺言書をつくっておいた方がよいケースもありますので、参考までに少しだけご紹介します。

①子がいない
現在の法律上、子がいない夫婦の場合、夫婦のいずれか一方が亡くなったときの法定相続人としては、残された配偶者と亡くなった方の両親が健在であればその両親が、両親も亡くなっていれば亡くなった方の兄弟姉妹が、さらに兄弟姉妹が先に亡くなっていれば兄弟姉妹の子(つまり、甥姪)が法定相続人となります。

遺言がない場合、遺産は法定相続人全員で遺産分割協議により分けることになります。つまり、残された配偶者と亡くなった配偶者の側の親族との協議となるのです。日ごろから交流があり、気心も知れている関係であればまだしも、特に配偶者の兄弟姉妹や甥姪とはほとんど付き合いもなく連絡先も知らないなどという場合もあるのではないでしょうか。そのような状況だと話し合いもむつかしく、遺産分割協議が進まないということも事実としてあります。

このような場合に、遺言書で残された配偶者にすべて相続させるという内容の遺言があればこのような事態を回避することができるのです。(ちなみに兄弟姉妹には遺留分はありませんので、ご両親もすでに亡くなられている場合には遺言はより有効な手段となります)

②内縁者やパートナーに遺したい
現在の法律上、内縁の妻・夫またはLGBTのパートナーなどは法律上の婚姻関係が認められておらず、一方が亡くなってもそもそも相続人となることができません。法律上、亡くなった方に相続人となる人がいなかった場合に特別縁故者として内縁者やパートナーが財産を受け取れる可能性もありますが、裁判所などの関与が必要であったり長期間の時間がかかり、また必ず受け取れるとも限りません。

このような場合に備えて内縁者やパートナーに財産を遺すという内容の遺言を作っておくことで、財産を受け継ぐことができるようになります。(ただし、亡くなった人に子や両親がいる場合には遺留分の問題もありますので注意が必要です。)

 

遺言書の種類

民法で定められた遺言には、「自筆証書」「公正証書」「秘密証書」(3つを普通方式といいます)と特別な場合に認められた特別方式のものがあります。
ここでは、通常もっとも多く利用されている「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2つについて触れたいと思います。それぞれ要件や様式などが決められており、これにあてはまるように作成することが求められます。

自筆証書遺言


その名からもわかるように「自分自身で遺言を書く」ものとなります。
 

自筆証書遺言の特徴としては、圧倒的に費用が安く、気軽に作れることが挙げられます。

ただし、作成形式にルールがあり、このルールからはずれたものだと遺言書として有効になりません。

詳しい作成方法はこちら(自筆証書遺言の書き方)にまとめましたのでご覧ください。

作成形式の不備による無効リスクと遺言書の紛失や他者による改ざんや破棄、隠匿、相続人が遺言書を発見できないなどのリスク、相続発生後に家庭裁判所による検認手続きが必要などの問題点もあります。

もっとも、このようなリスクを回避するために令和2年7月から法務局による自筆証書遺言の保管制度が始まりました。この制度を使うことにより、形式不備無効リスク、改ざん破棄隠匿、遺言書が発見できないなどの各リスク回避や検認の手続きが不要になります。保管手続きにもコスト(法務局への保管申請時は3900円)はかかりますが、公正証書遺言作成にくらべ各段に安い金額で手続きができます。

公正証書遺言

                    公正証書遺言は、公証人の関与の元に公証役場で作成される遺言となります。
遺言の内容を公証人と事前に打ち合わせをし、証人2名立会いのもと、作成された遺言内容を公証人が遺言者本人に読み聞かせ、内容に相違がなければ本人と証人が公証人が署名押印したうえで、公証人が署名押印して作成されます。

特徴としては、本人の意思を確認し公証人が関与することから遺言自体が無効となるリスクが少なく、作成された遺言の原本が公証役場に保管される点が挙げられます。したがって紛失や改ざんなどのリスクもなく、また遺言の作成記録が公証役場に保管されますので、遺言の発見も容易となります。ただし、作成に時間とコスト(公証役場に払う手数料は、財産額により異なりますが、少なくとも数万円以上)がかかり、守秘義務があるとはいえ遺言の内容を公証人と証人に開示することになります。

まとめ

最後に自筆証書遺言と公正証書遺言の簡単な比較表を載せておきます。それぞれにメリット・デメリットとなる部分があり、遺言者が遺言をどう考えるかによることになります。

  自筆証書

自筆証書保管制度

公正証書
作成 本人手書き(目録除く) (同左) 公証人
証人 不要 (同左) 2名
検認 (不要) 不要
費用 不要 (保管申請時法務局に3900円) 公証役場に数万以上(財産額・人数による)
手間 自分で書くだけ

(申請書、必要書類の用意、法務局予約)

必要書類の準備、公証人との事前打ち合わせ、公証役場予約
秘匿性 自分だけ (法務局に開示) 公証人、証人に開示
出頭 不要 (指定法務局に出頭) 原則公証役場に出頭。公証人の出張もあり(費用別途発生)
検索 なし (相続発生後に法務局で検索可能) あり(相続発生後)
安全性

紛失等リスク

(法務局が保管) 公証役場で保管
保管期間 保管状況次第 (死後50年。データは150年) 実務上半永久
紛争防止 遺言内容次第 (同左。法務局は内容自体に関知しない)

公証人が内容にも関与するため防止可能性が高い

自筆証書遺言の保管制度が始まったことで、自筆証書遺言の使い勝手(紛失や改ざんなどの防止)がよくなったのは間違いありません。ただし、保管制度も遺言の形式不備は法務局の確認が入るものの、内容そのもののチェックがないため、作成形式面から見た遺言書としては有効だとしても実際の相続の際にその遺言内容で円満に手続きができる保証があるとは言い切れません。さらに遺言者本人が指定された管轄の法務局に物理的に行かないと手続きができないなど、問題もあります。


絶対とは言えませんが、あくまで一つの参考として、お元気で自分で遺言を作りたいという方は自筆証書で、高齢の両親のことを考え遺言を作ってもらいたいと考えている方は公正証書で(もちろんご両親の作成意思が必要)という考え方もあるのかと思います。

なお、あおと事務所では自筆証書遺言も公正証書遺言もサポートしております。ご相談料は無料ですので、お気軽にご連絡ください!

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